こどものアトリエはちさん にて、3歳から高校生のお子さんに修復講座を行いました。

第1回目は、修復業にとってとても大事な「膠」に触れていただきました。膠は古来より作られている様々な生き物から抽出された天然の糊です。天然の糊は、木材や、布(キャンバスなど)を痛めず、長きに渡り"モノ"を残していく事ができます。今回は、顔料(鉱物などを細かく砕いた絵具の原材料)を膠で練り、絵具を作り絵を描きました。最初は遠慮していた皆んなも、途中から積極的に自分で顔料と膠を配合して描いてくれました。

第2回目は、補彩の体験を行いました。修復を学び始める時に行う、実際の絵ではなく図録を切り取って使う練習板です。絵の欠損を仮定して、gesso(膠+石膏)を充填し、乾いたら成形し、不透明水彩絵具で切り取った箇所に模写します。普段は自由に絵を描いている皆んなは、模写する事に戸惑っていましたが、頑張って描いてくれました。又、来年ね〜!!

感想をいただきました!!

★ 今日はありがとうございました。 子供たちは、興味深いクラスだったようで帰ってきてから教わったことを詳しく色々と教えてくれました。「こんなふうに絵を修復していることが知ることができてよかった。こういう風になおしてくれる人がいるおかげで古い絵をいつまでも楽しむことができてありがたいと思った。実際にやってみることができて楽しかったしまたやってみたいと思った。」と申しておりました。いつもたくさん学ばせて頂きありがとうございます。

★ とても楽しいワークショップでした。ありがとうございました!! 絵画のダメージ度合い、分析を経て、それに合った修復方法で細かな作業を繰り返し元の絵に限りなく近づける、という気の遠くなる仕事の成果が私たちが美術館で観ている作品達なのだと知って見方が変わりました。これからは描いた人だけでなくその絵を復刻させた人々にも想いを馳せながら絵を観に行こと思います。

★ 粉の顔料を膠で溶かして作った絵の具で描くと、 1から絵を作ってるだなー って感じて、嬉しくなりました。 あと、チューブから絵の具が出てくるってすごい便利だな、と思ったりもしました。 修復では自分を出してはいけないけれど、作者の気持ちになって考えるのも、なんか楽しいですよね!!

★ ☆良かった点 いつも絵を描く際に、見たものの色をきちんと再現していたつもりだったけれど、修復のように実際塗るべき色が既に存在していて、それを再現するのは今までやってきたことと全く違うと気づきました。 ☆大変だった点 サイズが小さかったので、もう少し大きいものか、簡単な箇所が良かったです。 ◇感想 画家の方が修復もするものだと思っていました。訓練をして実際に修復出来るようになるまで15年かかるというのは驚きでした。プロの人が修復しているところを見てみたいです。