設 立 趣 旨 書
1. 美術品は、所有者の物であると同時に社会全体の文化財でもあります。
2. これらの美術品は、時間がたつにつれ劣化していく宿命を持っています。
社会にとって重要な文化財や、個人にとっても思い出のある大切な作品を、
出来るだけ良い状態で持ち続けるためには、適切な保存と修復が必要不可欠で
あります。
3. 美術品の修復は、一般の人々にとって、その実体が分からないまま行われて来ました。多くの人は、美術品の修復とはどういうものなのか、その基本理念や現代の修復技法について、正しい理解を持てないのが現状です。
また、修復にかかる費用が妥当なものか、判断することが出来ません。
そのため修復を依頼する人は、躊躇し、修復を先延ばしにして作品の損傷が
進行し、気がついた時には取り返しがつかない状態になっていることがありま
す。
4. 従って、貴重な美術品・文化財の保存のためには、人々が修復について正しく理解し、安心して修復できる環境を整えることが必要です。
美術品修復を行う為の安心できる相談機関が必要であり、高度の技術を身につけた専門家の存在が不可欠であります。専門家を育てるには適切な施設と十分な養成期間が必要と考えます。
5. これらの諸問題を解決、改善するために、以下のような活動を行います。
(1)美術品の保存と修復に関しての普及と啓発
(2)美術品保存のための調査および技術開発
(3)修復技術の伝承及び修復技術者の養成と技能維持のサポート
(4)美術品修復に関する相談窓口の設置
6. 以上の活動を行い、一般の人々及び美術品を取り扱う関係者に対して適正な保存修復についての周知、理解をはかっていくことで、学術、文化芸術の振興に寄与してゆきます。そのための特定非営利活動法人を設立して、同じ考えを共有するものが集まり、安定して継続的な事業を展開していくために、一般からの寄付を募り、より多くの賛同者を得てともに美術品の保全保護を目的とした活動を展開していく。
2011年 5月 22日
法人の名称 特定非営利活動法人 美術保存修復センター横浜
設立代表者 青木享起